■科学論研究における教科書の地位——Bensaude-Vincent 2006
Bernadette Bensaude-Vincent, “Textbooks on the Map of Science Studies,” Science & Education, 15 (2006): 667–670.
Science and Technology in the European Periphery というプロジェクトの成果として編まれた特集号への一寄稿.この特集号で扱われるのはすべての「周縁」である.それは地域に関してもそうだし,教科書という媒体に関してもそうだ.教科書を歴史的に扱うに際しては,教科書というジャンルの誕生や,その教育制度の発展との関係,経済的・社会的・政治的文脈の考慮,専門分野の形成(これについては,知識生産と知識伝達の区別が実証科学にとって本質的だというコントの考えが言及される),教科書は本当に,クーンの言うように,通常科学的な知識の集積に過ぎないのかという問題,そして読者層の違いを考慮する.それにより,われわれは科学技術史に対する脱中心化されたアプローチを取ることができる.
Written on December 25, 2018.